ワークショップ

ワークショップは2024年9月17日(火)開催です.
ワークショップのみの参加の場合も,SES2024への参加申込と参加費が必要になります.

WS1: チャット型生成AIとソフトウェア工学

討論リーダ

石川 冬樹(国立情報学研究所),三浦 真樹(富士通),百瀬 耕平(日本総合研究所),江澤 美保(クレスコ)

趣旨説明

大規模言語モデル(LLM)および,それに基づくチャット型生成AIの技術進化および活用に向けた追求はますます盛んになっている.

ソフトウェア工学におけるこれらの技術の活用は,プログラムコード生成に限らず,要求分析から設計,テスト,ログ分析まで多様なタスクが追求されている.その一方,結果の品質を担保するための施策・技術や,AIの活用を前提とした開発プロセスやスキル・教育のあり方など,オープンな課題が多数生じており,かつ喫緊な課題となっているものもある.

一方で,大規模言語モデルを活用するようなソフトウェアシステムの開発や品質保証,運用に対する方法論や技術も強く求められている.ユースケースを踏まえたモデルの評価や選択,倫理や安全性,セキュリティのためのテスト・評価技術など,固有の課題が議論されている.

本ワークショップでは,これらの潮流に対する議論を行う.上記のように,「ソフトウェア工学のためのLLM/AI活用」および,「LLM/AIのためのソフトウェア工学」の双方の観点からの議論を行う.参加者の興味を踏まえ,教育などのテーマについても議論する.

開催形態

ハイブリッド開催(Zoom,オンラインホワイトボード(Miroを想定)などブラウザでのサービスアクセス)

討論形式

募集したポジションペーパーの発表とともに,ワークショップ参加者全員の意見をオンラインホワイトボードにて集めながら議論を進める.

ポジションペーパーの扱い

ポジションペーパーの募集を行う.企業内の現状共有など,著者名・所属名とともに永続的に公開することが難しいような発表については,Webサイト掲載なしの発表も受け入れる.

投稿・参加申込先

ses2024-ws1 @ ses.sigse.jp ( @ を半角@に置換) までメールでお申し込みください.

投稿・参加申込締切

  • ポジションペーパーあり発表申込締切: 9/3(火)
  • ポジションペーパーなし発表申込締切: 9/5(木)
  • 発表採否通知: 9/6(金)

プログラム

10:00~10:20 イントロダクション・前提知識共有
10:20~11:40 参加者発表(以下敬称略)

 九州大学 近藤 将成
 岡山大学 門田 暁人
 大阪電気通信大学 竹内 和広
 サイボウズ 永田 敦

11:40~12:10 課題共有・議論題材集め
13:30~16:00 グループ議論ワークショップ
16:00~16:30 まとめ・クロージング

WS2: AI4REからRE4AIへ:人とAIの共存によるDXの実践

討論リーダ

位野木 万里(工学院大学),北川 貴之(東芝),小形 真平(信州大学),斎藤 忍(NTT)

趣旨説明

生成AIが台頭し,プログラムの自動生成だけでなく,アイデア創出,要件定義,開発,保守運用のあらゆるソリューション開発タスクにおいて,人間をサポートし,品質や生産性を向上させることが期待されている.AI技術が進化する中,何のタスクをどこまで自動化可能なのか,利用者とタスクの特性に合致する生成AIはどうあるべきか等,AI for RequirementsEngineering と,Requirements for AIは,明らかになっていない.本ワークショップでは,ソフトウェア開発全体で,AIを活用した自動化や支援手法の研究成果や実施例を共有し,要求工学,ソフトウェア工学において新たな価値をもたらす,人とAIが共存の在り方について,様々な視点で議論を行う.

開催形態

対面開催

討論形式

本ワークショップは発表者だけでなく,議論のみの参加も歓迎する.
ポジションペーパーに基づき発表を行っていただき,その後質疑,全体議論を行う.

ポジションペーパーの扱い

AI4RE,RE4AIを中心としてポジションペーパー(SES2024と同等フォーマットで1ページ以上,タイトルとアブストラクト含む)を募集する.タイトルとアブストラクトのみのポジションペーパーでも良い.
なお,タイトルはREとしているが,REに限定せず,ソフトウェア開発のあらゆる側面でのAIによるサポートや,そのようなAIのあるべき姿に関する話題を広く募集する.

ポジションペーパーは,ディスカッションの順番等を決める際に活用するので,完成形の論文でなくても問題ない.なお,ポジションペーパーのSES2024サイトへの掲載は特にしない.

投稿・参加申込先

ses2024-ws2 @ ses.sigse.jp ( @ を半角@に置換) までメールでお申し込みください.

投稿・参加申込締切

  • ポジションペーパーあり発表申込締切: 9/3(火)
  • 発表採否通知: 9/6(金)
  • 参加申込締切: 9/10(火)

プログラム

Agenda

13:00-13:10 オープニング     

セッション1

13:10-13:30 ポジション1
13:30-13:50 ポジション2
13:50-14:10 ポジション3
14:10-14:30 ポジション4

セッション2

14:45-15:05 ポジション5
15:05-15:25 ポジション6
15:25-15:45 ポジション7
15:45-16:05 ポジション8

セッション3

16:15-17:00 拡張ディスカッション・まとめ
          
※各ポジションは発表と質疑あわせて20分

ポジションペーパー順番

ポジション1
AI連携による要求定義手法の研究:望ましい要求定義のためのプロンプト連鎖の提案
島川遼太郎 杉村康気 宅間健生 村野遼 (工学院大学) 奥田博隆 (日本インテリジェンス) 位野木万里 (工学院大学)

ポジション2
AI連携による要求定義手法の研究:プロンプト連鎖の自動実行による要求定義支援ツールの提案
宅間健生 杉村康気 島川遼太郎 村野遼 (工学院大学) 奥田博隆 (日本インテリジェンス) 位野木万里 (工学院大学)

ポジション3
LLMによるドメインクラス生成に向けた要求文書からの語句抽出の検討
江頭俊亮 小形真平 (信州大学) 竹内広宜 (武蔵大学) 奥田博隆 (日本インテリジェンス) 岡野浩三 (信州大学)

ポジション4
要求文の完全性解析に向けた生成AIの使いどころ
-従来の自然言語処理技術での課題を例示して-
成澤直輝 (信州大学) 大西淳 (立命館大学) 小形真平 岡野浩三 (信州大学)

ポジション5
AIを活用した要求仕様分類支援の試み
北川 貴之 (東芝)

ポジション6
暗黙知の形式知化と生成AIを用いた探索的テスト自動化と要求工学との連携の構想
但馬将貴 切貫弘之 若林慧 (NTT ソフトウェアイノベーションセンタ)

ポジション7
人とAI が共存するDigital Enterprise における要件定義とは
~人主体の業務からAI システム主体の業務へ~
中村一仁 (Ridgelinez)

ポジション8
責任あるAIの実現に向けた要求工学の役割の考察
斎藤忍 (NTT コンピュータ&データサイエンス研究所)

WS3: 生成AIとソフトウェア産業の未来 – 2030年のSIerはどうなってしまうのか

討論リーダ

小川 秀人(日立製作所),徳本 晋(富士通),倉林 利行(NTT),吉田 則裕(立命館大学)

趣旨説明

ソフトウェア開発への生成AI活用が急速に進んでいる.AIと人の協調作業により,開発者の能力拡張や,開発効率の大幅な向上が期待できる.一方で,これまでのような労働集約的なソフトウェア産業では,人月単価ビジネスが成り立たなくなり,事業継続が困難になることも懸念される.

本ワークショップでは,生成AI技術の進展が,ソフトウェア産業にどのような影響を与えるかについて議論する.ポジションペーパー投稿者による講演と,関係者による討論を実施する予定である.ワークショップでの議論結果や今後のサーベイに基づき,論文執筆や継続的な議論活動に繋げることを想定している.

ポジションペーパは以下のトピックについての提案や考察を想定しているが,討論テーマに沿っていれば,これらに限るものではない.
・生成AIが本格的に事業活用される時代における,ソフトウェア開発技術,開発プロセス,開発組織
・生成AI活用を前提としたシステムアーキテクチャ
・生成AIがソフトウェア開発やソフトウェア産業に与える影響,価値,課題
・生成AI時代のソフトウェア産業において求められるスキルセット
・将来のソフトウェア産業像
・ソフトウェアエンジニアリングコミュニティが取り組むべきチャレンジ

また,討論テーマにはSIerとあるが,対象はこれに限らず組込みソフトやパッケージ開発やゲーム開発など,生成AIの影響が想定される大規模ソフトウェア開発を含む.

開催形態

対面開催(本会議がオンラインとなった場合はZoomによる参加を想定)

討論形式

ポジションペーパー投稿者による講演とパネルディスカッション

ポジションペーパーの扱い

ポジションペーパーを募集し,Webサイトに掲載する

投稿・参加申込先

ses2024-ws3 @ ses.sigse.jp ( @ を半角@に置換) までメールでお申し込みください.

投稿・参加申込締切

  • ポジションペーパーあり発表申込締切: 9/3(火)
  • ポジションペーパーなし発表申込締切: 9/5(木)
  • 発表採否通知: 9/6(金)

プログラム

14:00-14:05 オープニング
14:05-15:15 発表セッション

・生成AI普及によるソフト開発ビジネスへの影響検討 (30分)
 川上真澄, 小川秀人(日立製作所)
・システムインテグレーションにおける生成AIの役割と課題解決の方向性 (30分)
 徳本晋(富士通)

15:20-16:40 議論セッション

・生成AI活用に関する情報提供 (各15分)
 吉田則裕(立命館大)、倉林利行(NTT)
・ソフト産業における生成AIユースケース(15分)
・生成AI活用の事業的・組織的課題(15分)
・課題解決の方向性(20分)

16:40-17:00 ラップアップ

WS4: ソフトウェア工学とダイバーシティおよびインクルージョン

討論リーダ

宮﨑 仁(日本文理大学),野田 夏子(芝浦工業大学),鷲崎 弘宜(早稲田大学)

趣旨説明

現代社会では,人々の性別,障がい,年代,立場,宗教,民族,国・地域など,多様な側面における多様性(ダイバーシティ)と包摂性(インクルージョン)がますます重要視されている.この多様性を認識し,受け入れ,促進することは,ソフトウェア工学の研究,実践,教育においても不可欠である.ソフトウェア工学におけるダイバーシティおよびインクルージョンのあり方(Diversity and Inclusion in Software Engineering),ならびに,ソフトウェア工学を通じたデジタル社会におけるダイバーシティやインクルージョンの推進(Diversity and Inclusion by Software Engineering)について議論し,取り組み,成果を共有し発展させ続けることが重要であり,日本の特徴を踏まえた国際的な発信が課題である.2022年に継続発展的な取り組みのためにソフトウェア工学研究会においてダイバーシティWGを設立し,ウィンターワークショップやソフトウェアエンジニアリングシンポジウムにおいて集中討議を積み重ね,ジェンダーや発達障害の課題について調査とその結果の発信を実施している.SES2024においても引き続き,異なるバックグラウンドや視点を持つ参加者が集まり,ソフトウェア工学とダイバーシティおよびインクルージョンに関わる話題を広く募り共有する.また,ワークショップ中に協力して特定テーマに絞ったモブ・ライティングを実施する予定である.

開催形態

ハイブリッド開催(オンライン参加の場合はZoomを利用)

討論形式

事前に投稿されたポジションペーパーもしくはアブストラクトに基づく発表とそのテーマに関する全体議論を行う.
また,参加者により決定したトピックについてのモブライティングも行う.

ポジションペーパーの扱い

ポジションペーパーを募集する.ポジションペーパーはSESのサイトに掲載する.
なお,ポジションペーパーの提出は必須とはしない.

投稿・参加申込先

ses2024-ws4 @ ses.sigse.jp ( @ を半角@に置換) までメールでお申し込みください.

投稿・参加申込締切

  • 投稿・申込締切: 8/26(月)
  • 採録通知: 8/27(火)
  • 最終原稿締切: 9/3(火)

プログラム

13:00-13:20 オープニング: 参加者自己紹介、目標設定
13:20-14:00 発表:ダイバーシティ&インクルージョンとソフトウェア工学

 野田 夏子(芝浦工業大学)
 ジェンダーとソフトウェア開発(発表5+質疑5分)

 大森 隆行(静岡大学)
 キーボード入力できない開発者のための音声プログラミング環境実現に向けた課題(10+5分)

 宮﨑 仁(日本文理大学)
 発達障がいとソフトウェアエンジニアリングにかかる調査報告(10+5分)

14:10-15:30 モブ・ライティング1: テーマ設定, 文献調査

 テーマを絞り,その場で全員参加により当該テーマに関わる文献サーベイ
(いわゆるSLR:Systematic Literature Review; 系統的文献レビュー)を分担して進め,
 2-4ページ程度の短い論文を分担して書きます.
 対面参加の方はオンライン接続可能なラップトップをご持参ください.
 専門性や経験ほか,ご心配には及びません.それぞれに応じて楽しく進めましょう.

15:40-16:50 モブ・ライティング2: 執筆、まとめ
16:50-17:00 クロージング

WS5: アルゴリズム公平性とソフトウェア工学

討論リーダ

岡野 浩三(信州大学),北村 崇師(産業技術総合研究所),高田 眞吾(慶應義塾大学),戸田 貴久(電気通信大学)

趣旨説明

裁判判決,入学審査,融資審査など,我々の社会の多岐にわたる領域でアルゴリズムによる意思決定の導入が進展している.このような意思決定アルゴリズムの社会浸透は今後さらに進み,社会基盤を再構築していくことが見込まれる.

アルゴリズムが意思決定を行う社会においては,これらのアルゴリズムの「公平性」の確保が基本的な社会要求となる.こうした社会要求に応じるべく,近年,ソフトウェア工学の分野でも,意思決定アルゴリズムの公平性の保証に関する研究が活発に行われている.

本ワークショップでは,アルゴリズムの公平性に関する包括的な議論を行う.公平性の基礎概念や,実践的なアルゴリズムにおける公平性,さらに,大規模言語モデルなどの最先端技術における公平性に関する最新の研究成果とその応用についても議論を行う.本ワークショップを通じて,アルゴリズム公平性の最前線を深く探求し,今後の研究および実践における指針を提供することを目指す.

開催形態

対面開催

討論形式

採択されたポジションペーパに基づき発表者に発表をいただき,その後質疑,全体議論を行う.

ポジションペーパーの扱い

発表希望者は事前にポジションペーパを提出いただき,討論リーダで審査を行う.
ポジションペーパは発表スライドでも可.
既存研究の調査研究(Survey)に関する話題も歓迎する.

投稿・参加申込先

ses2024-ws5 @ ses.sigse.jp ( @ を半角@に置換) までメールでお申し込みください.

投稿・参加申込締切

  • ポジションペーパーあり発表申込締切: 9/3(火)
  • ポジションペーパーなし発表申込締切: 9/5(木)
  • 発表採否通知: 9/6(金)

プログラム

12:50-13:00 開会の挨拶

13:00-15:00 セッション1

1. 趙振江 “機械学習モデルの個人公正性テスト技術の動向”
2. 神吉孝洋、岡野浩三、北村崇師 “差別データ多様性を意識した敵対的標本に基づく公平性テスト算法”
3. 松川知聖、高田眞吾 “機械学習モデルの再学習による公平性向上に関する研究”
4. 船本和希、北村崇師、高田眞吾 “差別データの多様性がMLモデルの再学習に与える影響の調査”

15:20-16:50 セッション2

5. 久間大成、高田眞吾、北村崇師 “保護属性を意識しない公平性テスト手法に向けて”
6. 久保拓巳、戸田貴久 “決定木モデルのロバスト性に関するブラックボックステスト手法の検討”
7. 北村崇師 “大規模言語モデルの公平性テストの研究動向と一考察”

16:50-17:00 閉会の挨拶